理事長コラム「ススメのひらき」~キャッシュレス時代

昨年から「キャッシュレス」や「QRコード決済」という言葉を見聞きする事が多くなりました。

本格的なキャッシュレス時代が間違いなくやってきます。

それも「10年後」ではなく、「2~3年後」です。

キャッシュレスとは

キャッシュレスとは「現金ではない」ということです。

手にとって触れる、硬貨や紙幣が現金です。

スーパーやコンビニ、自動販売機などの支払いが現金ではなくなります。

現金ではない支払い方法=キャッシュレスです。

例えば、現金を送る(送金する)方法として、現金書留と振込みの方法があります。

現金書留は手元の硬貨や紙幣を封筒に入れて相手にそのまま届ける方法。

振込みはATMなどを利用してデジタルデータを相手に届ける方法。

前者が「現金」で後者が「キャッシュレス」です。

従来からある小切手・口座振替・クレジットカードはキャッシュレスです。

最近はこの「キャッシュレス」の種類が増え、また国としてもキャッシュレスを推進しており、見聞きする事が多くなりました。

キャッシュレスの種類

細かな違いはありますが、キャッシュレスは大きく分けて「クレジットカード」「電子マネー系」「ポイント系」の3種類に分かれます。

・クレジットカードはポストペイ(後払い)

・電子マネー系(ワオン、ナナコ、スイカ、マナカ、エディなど)はプリペイド(前払い)

・ポイント系(Tポイント、楽天ペイ、LINEペイなど)ポストペイとプリペイド

ポストペイ(後払い)は後日請求書が届いて利用金額を銀行引き落としや振込みを行い支払いします。いわば「つけ」払いです。

プリペイド(前払い)は利用できる(したい)額を現金であらかじめチャージ(預け入れ)し、その額から利用金額を支払います。

ポストペイはあらかじめチャージの手続が不要ですが、その反面使いすぎに注意が必要です。

反対にプリペイドはチャージの手間がかかりますが、チャージした金額以上の支払いはできないので使いすぎることはないです。

※分かりやすくするために簡略し解説しています。

キャッシュレスを理解しやすいようにスーパーでの買い物を想像してみましょう。

商品をレジに持っていき支払いをします。

現金払いの場合、財布から硬貨や紙幣を取り出し支払いを行います。

キャッシュレスでの支払いの場合はその旨を伝えて支払いをします。

クレジットカードの場合は「クレジットカードで」⇒カードを店員に渡すか自分でカードをスキャンさせます。

電子マネー系の場合は「ワオンで」「スイカで」「エディで」⇒カードを店員に渡すか自分でカードをスキャンさせます。

ポイント系の場合は「Tポイントで」「楽天ペイで」⇒カードを店員に渡すか自分でカードをスキャンさせます。

キャッシュレスとスマホ

お店によって利用できるキャッシュレス方法が異なります。

「スーパーのイオンは、クレジットカードとワオンとエディ」

「ローソンはエディと楽天ペイ」

「いきつけの喫茶店ではTポイント」

そのため、お店に合わせた複数の支払い方法を自分で用意しておく必要があります。

クレジットカードにせよ、電子マネー系にせよ、ポイント系にせよ、それぞれ専用のプラスチックカードが必要で、複数のキャッシュレス方法に対応させると、お財布がパンパンに。

そこで、スマホに各種キャッシュレス情報を登録し、スマホ一つで様々なキャッシュレスに対応させるようになってきました。

レジに設置されてる決済端末にスマホをかざし「ピコーンッ」で支払いを行ったり(おサイフケータイ)、スマホ画面にQRコードを表示させ店員に読み取ってもらい支払い(QRコード決済)を行います。

キャッシュレスの今後

なぜ今キャッシュレス化が進んでいるのかといいますと、少子高齢化による労働人口の減少です。

働き手が少ない状態で、現状を維持するには作業効率を高める必要があります。

キャッシュレスにするとなぜ作業効率が高まるのか?

先のスーパーでの買い物の場合、現金を取り扱わないため決済時の時間が短縮されると共に、閉店時の現金の確認、いわゆるレジ閉め作業が不要となり作業効率が高まります。

さらに、現在「人」が対応しているレジ作業も無人化され、さらにさらに進めばお店そのものが完全無人化されるでしょう。

完全無人化は海外で既に始まっており、国内のコンビニでも一部地域で試験導入されています。

買い物だけではなく、キャッシュレス化は銀行のATMや銀行そのものにも大きな変化をもたらします。

買い物など日常生活で現金を利用したやりとりが少なくなれば、現金を引き出すためのATMが不要となり、ATMはどんどん減少します。事実、みずほFG社長が「ATMは公衆電話のように消えていく」と発言しています。

また、インターネット上で銀行の各種取引がほぼ行える現在、キャッシュレス化が進めば銀行店舗の必要性がなくなり、ATMのみならず店舗も減少するでしょう。

 

キャッシュレスだけではなく、SF映画のような技術、自動運転、遠隔医療、AI、ロボットなどがどんどん日常生活に入ってきます。

そんな社会の変化が2020年のオリンピックに向けて2~3年の間に起きます。

短期間に激しい変化が生じるため、社会変化に対応できず日常生活に支障が生じる人(IT難民)が多く発生することを懸念しています。

技術と人をつなぎ合わせていく、私たちの役割、使命、責任を強く感じています。