理事長コラム「ススメのひらき」~それホント?

・「深く息を吸って、10秒我慢する」ことができれば新型コロナには感染していない
・花こう岩などの石 ウイルスの分解に即効性がある
・感染対策に緑茶が有効
・コロナウイルスは熱に弱く、26~27度のお湯を飲むと殺菌効果がある
・中国人観光客が関西空港から病院に搬送され、検査前に逃げた
・新型コロナウイルスの影響でトイレットペーパーが不足する

これらの話し(情報)を見聞きしたことありませんか?私は全て見かけました。
インターネット上の記事、YouTube、知人からのメール(LINEやSMS)、実際に顔を合わせた会話で。ちなみにこれら全てデマ(流言)です。デマ(流言)は以下のような状況で広まるそうです。

  1. 情報欲求の高まり。人々は、災害の中で、危険を避け、そして役に立つ情報をほしがっています。情報欲求の高まりが、正確な情報の収集にとどまらないで、不正確な情報である流言を広めてしまう結果を生んでしまいます。
  2. 伝達欲求の高まり。人は自分が知った新しい情報を人に伝えたいと思います。善意ではありますが、それが流言を広めます。また、人は不安を共有したいと思います。おしゃべりは、ストレス解消になります。またカウンセリングマインドを持って人の話を聞くことは、とても良いことす。しかし時に、伝達欲求による行為が、流言を広めます。
  3. 不安感情の正当化。大災害が発生し、人々は不安がっています。この自分の「不安」を、不安がっていても良いのだと人は思いたいのです。そこで、自分が不安がっても当然だと思えるような、不安になる話(流言)を広めてしまうことがあります。
  4. 興奮状態によるチェック不足。災害発生時、人々は普段よりも冷静さを失い、一緒の興奮状態になります。普段なら、疑ったり、真偽をチェックできたりするのに、その心の余裕がないまま、聞いた話をすぐに人に伝えてしまうために、流言が広まります。

出典:東日本大震災・東北地方太平洋沖地震の災害心理学 流言の心理・広がる原因・対策

親切心と責任

話を聞いた人は親切心から家族や知人に話を伝え、それを聞いた人がさらに家族や知人に話を伝えていく。その話しが正確であればよいのですが、事実と異なるとこのようなことにも。インターネットにより情報の拡散スピードが速まっている現在、親切心とはいえ、伝える情報の正確性に責任を持つ必要があります。

「加藤さんは死んだ」デマ 本人が怒りのチラシ2千枚:朝日新聞デジタル

情報の確認(ファクトチェック)

自分自身が誤情報に惑わされないため、また親切心が仇にならないように情報の正確性・妥当性を確認(ファクトチェック)する必要があります。

◆ 公的な機関の情報を確認する
国や県、市区町村の公式なWEBサイトを確認します。

◆ 検索して確認する
見聞きした情報をそのまま検索窓(検索するキーワードを入力する欄)に入力し検索します。

”「深く息を吸って、10秒我慢する」ことができれば新型コロナには感染していない”→【深く息を吸って10秒我慢する】で検索
”花こう岩などの石、ウイルスの分解に即効性がある”→【花こう岩 コロナ デマ】

◆ ファクトチェック・イニシアティブ
ファクトチェックの普及を図っている、「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」という団体があり、WEBサイトでファクトチェック記事が紹介されています。コンパクトにまとめられており見やすいです。

チェック済み情報まとめ(国内編)

まとめ

新型コロナに限らず、何か情報を見聞きしたときに「それホント?」と、一旦立ち止まり、情報の確認(ファクトチェック)をしましょう。
デマも正確な情報もインターネットを通じ提供されています。毎日を安心安全に過ごすには、インターネットを上手に利活用する能力「ネットリテラシー」や目的に応じて情報を活用する能力「情報リテラシー」が不可欠です。皆様のリテラシー向上につながる活動を行ってまいりますので、引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。