理事長コラム「ススメのひらき」~育てるモラル

先日、デジサポでは「森であそぶ、AIとまなぶ」というワークショップを開催しました。
この企画は、小学生が実際に森を探索し、「この森を将来に向けてどう残していくべきか」を考えるものです。デジサポらしい試みとして、実体験と生成AIを組み合わせた新しい学びの形を提案しました。

AIに「教える」ことで深まる、子どもたちの思考

子どもたちはまず、自分の足で森を歩き、目で見て、肌で感じたことを持ち帰ります。その後、体験したことをAIに「教える」時間を作りました。

AIに説明しようとすると、単に「見てきた」だけでは不十分です。

  • 何が一番印象に残ったのか

  • どこが大切だと思ったのか

  • なぜそれを伝えたいのか

言葉にするプロセスの中で、子どもたちは自然と森について深く考え、仲間と話し合い、自分たちの思いを言語化していきました。最終的には「20年後の子どもたちに伝えたい森のこと」を、AIと共に文字と絵で表現しました。

「デジタルネイティブ」から「AIネイティブ」へ

会場に用意したiPadを、子どもたちはごく自然に使いこなしていました。AIに初めて触れる子も多かったのですが、戸惑うことなく対話を始めていたのが印象的です。 文字で質問する子、音声入力を使う子、カメラ機能で状況を伝えようとする子。それぞれの方法でAIと向き合う姿は、彼らが「デジタルネイティブ」であるだけでなく、「AIネイティブ」として成長していく未来を感じさせるものでした。

ここで重要なのは、AIは単に便利な道具ではなく、自分の考えやアイデアを増幅させる「思考のパートナー」になり得るということです。今回の企画を通じ、テクノロジーが創造性を引き出す可能性を再確認しました。

社会全体で育む「情報モラル」の在り方

一方で、インターネットやスマートフォンを巡るトラブルや犯罪は、今もなお大きな課題です。ネットはすでに電気やガス、水道と同様の「生活インフラ」であり、社会の土台となっています。

SNSでのトラブル、個人情報の取り扱い、情報の真偽の見極めなど、子どもたちが直面するリスクは多様化しています。これらを「家庭教育」や「個人の責任」だけで解決するのは限界があります。

  • 保護者の現状:変化の速いネット環境は、多くの大人にとっても未知の領域です。

  • 社会の役割:依存を促す仕組みやネット犯罪のリスクに対し、社会全体で防波堤を築く必要があります。

「禁止」から「判断できる力」の育成へ

これからの情報モラル教育において大切なのは、単に「やってはいけないこと」を暗記させることではありません。「自分で考え、判断できる力」を育てることです。

「これはダメ」と禁止事項を並べるだけではなく、子どもが迷ったときに立ち止まり、周囲に相談できる関係性を築くことが不可欠です。それは、保護者、学校、地域、そして私たちのような支援団体が手を取り合って育んでいくものです。

デジサポはこれからも、テクノロジーの「操作方法」を教えるだけでなく、「どう考え、どう使うか」という本質的な視点を、地域社会と共に育んでまいります。

講演・ワークショップのご案内

デジサポでは、子どもたちがネット社会を賢く生き抜くための「自分で考え判断できる力」を養うワークショップや、保護者向けの啓発講演を行っています。

保護者向けには、お子様が被害者にも加害者にもならないための基礎知識から、ペアレンタルコントロールの具体的な設定方法といった実践的な内容まで、幅広くお伝えしています。

  • 実績:愛知県より「青少年インターネット適正利用促進事業(ネットモラル塾)」を受託するなど、これまでに300回を超える講演・ワークショップ実績があります。

  • 主な対象団体:学校、PTA、子ども会、地域の見守り団体など、子どもを支えるあらゆる組織・グループの皆さま。

変化の激しい時代だからこそ、地域全体で子どもたちを見守る土壌を共に作っていければと考えております。講演やワークショップのご希望、内容のご相談がありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。