【活動報告】森であそぶ、AIとまなぶ~五感の記憶を生成AIで未来へつなぐ~

プログラムの概要と目的

2026年3月20日(金・祝)、瀬戸市定光寺野外活動センターにて「森であそぶ、AIとまなぶ」を開催しました。

このプロジェクトは、公益財団法人ペガサス財団の助成、そして瀬戸市・尾張旭市両教育委員会の後援をいただき実現したものです。

私たちデジサポが大切にしているのは、単なるICTスキルの習得ではありません。デジタルという「道具」を使って、目の前のアナログな体験をいかに深く、豊かに自分の中に落とし込めるか。その「使い道」のデザインに、私たちは挑戦しました。

あえて見せたAIの「弱点」。子どもたちを主人公に変える仕掛け

ワークショップの幕開けは、生成AI(Gemini)へのある問いかけから。 「森ってどんな場所?」

AIの答えは「木が集まっている場所」といったどこにでも当てはまるような教科書通りの回答です。

「AIは本の中のことは知っているけれど、今日みんなが歩くこの森の匂いや音、触り心地は知らない。みんなの五感を使って、AIにこの森を教えてあげよう!」

子どもたちは「教わる側」から、AIを導く「特派員」へと変わりました。

五感のスイッチを全開に!「生きた情報」を探す森の冒険

探索の時間、子どもたちはAIに教えるための「宝探し」に夢中になりました。

虫眼鏡を覗き込み、土の匂いを嗅ぎ、微かな風の音を捉える。AIに伝えるための大切な「証拠品」として、気になる葉っぱや石、枝、そして一生懸命に見つけた虫やせみの抜け殻などを次々とビニール袋に集めていきます。

戻ってから、それら実物を手掛かりに、記憶を「五感シート」へ一気に書き出しました。 「アブの背中はふわふわ」「スースーする匂いの葉っぱ」 身体を通じた実感が伴う言葉は、どれも個性的で瑞々しいものです。これこそが、AIには決して生成できない、人間ならではの「価値」だと私たちは考えています。

AIとの共創。感性を研ぎ澄ます「対話パートナー」としての活用

後半、iPadを手にした子どもたちは、魔法の言葉でAIに語りかけます。
「AI、森って〇〇だよ」

自分の発見を言葉でぶつけると、AIは「それはまるで森のオーケストラのようだね」と、子どもの感性をさらに広げる新しい視点を返してくれます。AIを「答えを出す機械」ではなく、自身の発見を磨き上げる「思考のパートナー」として定義する。これこそが、デジサポが次世代に伝えたいデジタル活用の本質です。

未来の子どもたちへ。自分たちだけの言葉を創り上げる

最終目標は、「大人になった自分が子どもに伝える『森のこと』」を形にすることです。 AIの提案をきっかけにしながらも、最後は子どもたちが自分たちの手で言葉を選び、ブラッシュアップを重ねました。

完成したコピーを模造紙に描き、ストーリーとして発表する彼らの姿。自らの体験を根拠とした言葉には、誰にも真似できない力強さが宿っていました。

【森って、優しくみんなを包むゆりかご】
「『ゆりかご』と「布団』」というアイデアをAIが出してくれて、これらを合わせて、こういう絵になりました。『ゆりかご』の中にいる動物たちを書いて、『森のゆりかご』っていう感じを出しました。」

【森はきれいでうつくしい、最高の場所!!】
「みんなが考えた色々な植物があるところとか、とっても楽しいとか、綺麗で素晴らしい場所とか考えた。最終的に「世界はきれいで美しい最高の場所」というタイトルになって、それをイメージするために大きな一本の木を書いたり、とっても楽しい女の子を書いたりしました。」

【道具がなくても、君の手と目があれば、最高の遊び場になるんだよ。】
「この絵には、道具がなくても、自分の手と目があれば自然の中は最高の遊び場になる、という思いを込めました。切り株や木の扉は、ふだん見えないところにも生き物の家や命のつながりがあることを表しています。また、鳥の鳴き声や風の音、切り株の上のカレーには、みんなで作って外で食べるご飯の特別なおいしさを表しました。」

共に創る、新しい学びの形

アンケートでは、児童・保護者ともに満足度100%という結果をいただきましたが、それ以上に、デジタルと自然が補完し合う教育の可能性を、私たち自身が再確認できたことも大きな収穫です。

当法人では、今回のような体験型プログラムの企画・運営を通じ、地域や教育現場の力になりたいと考えています。「子どもたちの創造性を引き出したい」「地域資源とICTを組み合わせた新しい教育を実践したい」 そんな想いを持つ企業や教育関係者の皆様。

子どもたちの発見を価値に変え、未来を切り拓く力を育むためのパートナーとして、ぜひ私たちと共に新しい学びの形を創り上げませんか。皆様からのお声がけを、心よりお待ちしております。