理事長コラム「ススメのひらき」~3つの質問で素早くスキルチェック

当法人では高齢者を対象とした、スマートフォンの講習会や相談会を数多くおこなってきました。その中で常に意識していることの一つとして、受講者に伝わる伝え方です。

例えば「ギガとは何か?」と質問を受けた際にどのように説明すれば理解してもらえるのかということです。「データサイズを表す単位で、正式にはギガバイトと呼びます。」で理解できる方もいますし、チンプンカンプンな方もいます。十把ひとからげではダメです。

重要なことは、相手のスキルレベルに合わせた適切な説明を行うことです。高齢者といっても、スキルレベルは個々によって大きく違いがあります。昨日スマートフォンを購入した方から、既に10年以上利用している方まで様々です。

講習会や相談会では初めてお会いする方ばかりで、ゆっくりお話をしスキルレベルを確認する時間が取れません。

今回のコラムでは、相手のスマートフォンのスキルレベルを素早く判定する「3つの質問」をお伝えします。

その1 スマホはいつから利用していますか?

長く利用されている方がスキルが高い傾向にあります。日ごろからパソコンを利用していたり、新しいモノ好きの方は、利用期間が短くてもスキルレベルが高い場合もあるので、必ずしも利用期間とスキルレベルが比例するとは限りませんが、大変重要な指標になります。

その2 スマホにしたきっかけは何ですか?

高齢者のスマートフォン利活用促進には、モチベーションが非常に重要です。この質問で、モチベーション高低が分かります。「ガラケーが使えなくなるから」や「子どもに持たされた」という消極的な回答と、「LINEを利用したかった」「歩数計に使いたいから」等明確な回答の二パターンに別れます。後者の方がスキルレベルが高い傾向にあります。

その3 スマホを何に利用していますか?

LINE、インターネット、地図、カメラ、天気、ニュース・・・とスラスラ教えてくださる方は、スキルは高いです。反対に「電話だけ」という方は低いです。ただし、いずれの場合も注意点があります。スキルが高いと思っても、特定のアプリの利用はスムーズに行えるが、スマートフォンの基本操作(電源の切り方等)や用語(SMS等)をご存じない場合もあります。また、スマートフォンを上手に利用されていても、自分のことを控えめにお話されて「電話だけ」とお話しされる方もいます。

まとめ

一部通信キャリアの3G停波で、従来型の携帯電話からスマートフォンへの移行が半ば強制的に進んでいます。皆さんの身近な方からスマートフォンのご相談を受ける機会も増えると思います。その際は今回ご紹介した3つの質問で相談者のスキルレベルを確認し、レベルに合わせた説明をしてあげてください。教えることは、ご自身のスキルアップにも繋がります。