理事長コラム「ススメのひらき」~シニアのデジタルデバイド解消が大事な理由とは

新たな社会課題「デジタルデバイド」

コロナ渦で浮き彫りになった日本のデジタル化の遅れ。給付金支給ではオンラインで申請するも紙に印刷して目視でチェック、感染者数は各保健所や病院からFAXで報告、在宅勤務をするも印鑑を押すために出社などなど。笑うに笑えない状況を目の当たりにし、突如始まった日本のデジタル化。それに伴い、デジタルデバイドという新たな社会課題が注目されています。

情報格差(じょうほうかくさ)またはデジタル・ディバイド(英: digital divide)とは、インターネット等の情報通信技術(ICT)を利用できる者と利用できない者との間にもたらされる格差のこと。国内の都市と地方などの地域間の格差を指す地域間デジタル・ディバイド、身体的・社会的条件から情報通信技術(ICT) を使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる格差を指す個人間・集団間デジタル・ディバイド、インターネット等の利用可能性から国際間に生じる国際間デジタル・ディバイドがある。特に情報技術を使えていない、あるいは取り入れられる情報量が少ない人々または放送・通信のサービスを(都市部と同水準で)受けられない地域・集団を指して情報弱者と呼ぶ場合もある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/

少子高齢化とデジタル化

1995年から2015年の20年間で生産年齢人口が約1000万人減り、さらに、政府予測よりも20年も早い少子化が進み、世界にも類がない少子高齢化が進行している日本において、現在の社会インフラを維持するには、あらゆる分野における生産性の向上が必要であり、そこに至るにはデジタル化が大変重要であることは明らかです。

生産年齢人口、ピークの95年比13.9%減 国勢調査確定値 「2022年にも出生数80万人割れ」の衝撃――政府予測より20年前倒しの少子化をくい止めるには「異次元子育て支援」が必要だ(新潮社 フォーサイト) – Yahoo!ニュース

デジタルデバイドとシニア

デジタル化を進めていくにあたって、個人間のデジタルデバイド是正、解消は大変重要であり、とりわけシニア層のデジタルデバイドの問題は喫緊に解決すべき課題と考えています。理由は簡単で人数が多いからです。日本の65歳以上の高齢者は3640万人、人口に占める割合は29.1%で今後20年は増加が続きます。

全人口の約1/3を占めるシニア層がスマートフォンをはじめとするデジタル機器やサービスの利用が進めば、シニア自身のQOL(生活の質)の維持向上やウェルビーイングにもつながり、さらに社会全体の生産性向上にも大きな影響があるでしょう。

65歳以上の高齢者 3640万人で過去最多を更新 総人口の29.1%に | NHKニュース

シニアにスマホを教えるポイント

2017年の法人設立時より、シニアのデジタル利活用が今後の社会に重要であると考え、シニアを対象としたスマートフォンやパソコン、インターネットの講習会や相談会を2000時間以上行ってきました。この度、それらの経験を基に高齢者のスマホ利用を上手に導くノウハウをまとめた【高齢者からスマホについて質問されたときの応対集「スマホの教え方、教えます~スマホコーチになるための本】を発刊しました。ご家族や職場、地域で高齢者と接する機会が多い方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。無料ですべてのページを公開しており、PDFでダウンロードも可能です。詳しくはこちらからご覧ください。

<主な内容>
1.教える人の心構え ~スマホの利用はストレスであることを理解して応対します
2.スマホの設定 ~ちょっとした設定変更を行うだけで使いやすくなります。
3.基本操作 ~最低限知っておく必要のある操作方法のみ伝えます。
4.アプリ ~当たり前の操作も、ゆっくり、丁寧に、繰り返し伝えます。
5.知識 ~マナーやセキュリティといった知識を伝えることも教える側の大切な役割です。
6.用語 ~質問には、正確な言葉の意味よりも、分かりやすさを優先し説明を行います。
7.アカウント ~最も理解が難しく、混乱する箇所です。

高齢者からスマホについて質問されたときの応対集「スマホの教え方、教えます~スマホコーチになるための本」を発刊しました | NPO法人デジサポ