理事長コラム「ススメのひらき」~彼を知り己を知れば百戦殆うからず
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」
『孫子・謀攻』に「彼を知り己を知れば百戦殆からず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し(敵と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても負けることはない。敵情を知らないで味方のことだけを知っているのでは、勝ったり負けたりして勝負がつかず、敵のことも味方のことも知らなければ必ず負ける)」とあるのに基づく。
引用:故事ことわざ辞典 http://kotowaza-allguide.com/ka/karewoshiri.html
生活とデジタル技術の融合が急速に進み、世の中の仕組みが大きく変わりつつあります。
昨年頃から、日常の変化を感じているかたも多いのではないでしょうか。
問題はスピード
キャッシュレス、自動運転、遠隔医療など、これら技術は人にとって大きな利便性をもたらし歓迎すべきと考えています。
ただ、問題はその変化のスピードが速すぎること。
電車の改札を考えて見ましょう。
1980年代は駅員さんがカチカチと手動で切符を確認。
↓
1990年代は切符を改札にシュッと入れて自動改札に。
↓
現在はピッとかざすだけ。
約30年での変化です。ゆっくりと徐々に変化したのでほとんどの人が対応できました。
「キャッシュレスは良くわからんがマナカ(ICカード乗車券)はつかっとる」という方も。
これからはじまる「IT革命第二幕※1」は、いままで経験のしたことの無いスピードで進んでいきます。
電車の改札以上にICTは日常生活に浸透し、変化に対応できないと日常生活に支障がでることが予見されます。
困ったときにサポートをする人材を育成したり、相談できる場所を増やすことが当法人の使命の一つと考え活動しています。
※1 私が勝手に名づけましたが一般的には「第四次産業革命」と呼ばれています。
敵を知る
話を戻しまして、「彼(敵)」は誰でしょうか。
考え方によって様々でしょうが、本稿では「彼(敵)」=「ICT技術を利用し悪さをする人」とします。
己は自分の知識としましょう。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発表した「情報セキュリティ10大脅威 2019」から敵の作戦を知ることができます。
https://www.ipa.go.jp/security/vuln/10threats2019.html
個人向けの10大脅威
1位 クレジットカード情報の不正利用
2位 フィッシングによる個人情報等の詐取
3位 不正アプリによるスマートフォン利用者の被害
4位 メールやSNSを使った脅迫・詐欺の手口による金銭要求
5位 ネット上の誹謗・中傷・デマ
6位 偽警告によるインターネット詐欺
7位 インターネットバンキングの不正利用
8位 インターネットサービスへの不正ログイン
9位 ランサムウェアによる被害
10位 IoT機器の不適切な管理
見聞きしたことがありましたでしょうか。
各項の詳細や対策はIPAのWEBをご参照ください。
IPA情報セキュリティ・ポータルサイト
https://www.ipa.go.jp/security/kokokara/quiz/index.html
それぞれの項目がどのようなもので、どう防ぐかを理解できれば完璧ですが、まずは知ることが大事です。
彼(敵)の作戦をよく知り己(自分)の知識を磨くことで、これから迎える新しい社会で上手に生活しましょう。
当法人ではネットセキュリティに関する講座、講演会を実施しています。ご希望の方は以下よりお問い合せください。
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