理事長コラム「ススメのひらき」~ネットリテラシー
1990年代に広く普及したインターネットは、スマートフォンの登場で日常生活の中で利用されるようになり、コロナ禍において生活維持に必須となりました。インターネットの利活用はQOL(生活の質)と密接に関わっており、その度合いは益々高まっています。豊かな毎日を過ごすには個々の「ネットリテラシー向上」が必要となります。
ネットリテラシーとは?
ネットリテラシーとは、「インターネットを使いこなす能力」のことです。
ネットとは「インターネット」のこと。リテラシーとは「読み書きの能力」のことで、日本では「使いこなす能力」という意味とされています。
ネットリテラシー=「インターネット」+「使いこなす能力」
使いこなすとは「あれもこれもできる」という意味ではなく、「必要に応じて利用できる」という意味です。
ニュースや気象情報を確認する、LINEやメールで友達とコミュニケーションを行う、ネットショッピングをする等、自分の都合に合わせて賢く利用するということです。
リテラシーが低いと何が起きる?
インターネットを賢く利用すると、興味関心が広がったり、楽しみが増えたり、生活の利便性が高まったりと、日常生活がより豊かになります。
しかし、リテラシーが低いと、その真逆に。不安が増えたり、犯罪に巻き込まれたり、交友関係でトラブルが生じたり。
◆デマやウソ情報に関するトラブル
検索やYouTubeで表示される情報に振り回され、不安を感じたり、誤った行動を行ってしまう。
◆ウイルス、詐欺に関するトラブル
スマートフォンやパソコンから個人情報が流出したり、フィッシング詐欺などの犯罪に巻き込まれる。
◆LINE、Facebook、InstagramなどSNSでの情報発信に関するトラブル
文字伝達によるミスコミュニケーション(意味の取違い)、誹謗中傷などコミュニケーションのトラブルが生じる。
リテラシーを身に着けるポイントは?
日常から以下を意識してインターネットを利用しましょう。
〇情報の真偽を客観的に判断する
インターネット上の情報の正確さは誰も担保していません。
(例)地震のせいで動物園からライオンが放たれた
(対処)TVや新聞などインターネット以外で情報を確認する
〇現実空間(フィジカル空間)での判断を仮想空間(サイバー空間)でも適用する
日常生活で行わないことはインターネット上でも行いません。
(例)アプリの利用時に表示される「〇〇〇の利用」に同意
(対処)自分で理解できないことには同意しない
〇報道されているICTに関する情報を自分事として捉える
インターネットは生活と密接に関わっています。
(例)運送会社を騙ったフィッシング詐欺(インターネット上のオレオレ詐欺)が多発している
(対処)フィッシング詐欺について詳しく調べる
まとめ
ネットリテラシーが語られる際、「子どものネットリテラシーをどう教育するか」が課題として取り上げられますが、「親(大人)のネットリテラシー教育をどうするか」も同様に重要だと考えています。「子は親の鏡」という言葉があるように、子どもは最も身近で一番の見本である「親」を見て学習します。大人が手本を示す必要があります。子どものリテラシー教育を進めると同時に、大人のネットリテラシー向上のための施策を進めたいと思います。
心配なことや不安に思うこと、不明なことがありましたら、当法人の講師やICT支援員にお尋ねください。